光を失いかけた馬と少女の絆を描く感動の物語

ストーリー&キャスティング

香苗とコスモ

JRA(中央競馬)所属のサラブレッドとして、将来を期待されてデビューした牝馬・タカラコスモス。17戦して未勝利と競走馬としては周囲の期待に応えることはできなかったが、彼女がその素質を開花させることになるのは、乗馬として引き取られた日本獣医畜産大学(現:日本獣医生命科学大学)の馬術部においてだった。

乗馬となって1年後の1989年には、全日本学生馬術大会で3位入選、さらに翌1990年には同大会で初優勝を果たすなど障害競技の世界で輝かしい成績を残したのだった。

第二の人生で花を開かせたタカラコスモスだったが、馬の失明原因で最も多いとされている「ぶどう膜炎」を左目に患い、障害の飛越はもちろん、日常の生活にも大切な視力を低下させてしまう。所属していた大学では懸命の治療が行われたが、症状の回復は芳しくなく、障害競技への復帰は難しいと思われた・・・。

そんなタカラコスモスが青森県にある三本木農業高等学校に引き取られることになったのは1996年。なんとか彼女に活躍の場を提供したいと考えていた馬術部の顧問の先生が、目の治癒に適した温泉が十和田市にあることを含めて、関係者を通じて引き取りを申し出たのだ。厩舎などの施設面でも苦労があったがなんとか彼女を引き取った。

映画のストーリーは、三本木農業高等学校の馬術部にタカラコスモス(コスモという愛称で呼ばれている)がやってきてから始まる。
彼女のパートナーは馬術部の2年生・菊池香苗だったが、左目を患っただけでなく、飛越競技で華々しい活躍をしたことからくるコスモのプライドのせいなのか、なかかなか意思の疎通を図ることができない。それでも根気よく頑張る香苗だが、次第にコスモに対する不満を口にするようになり、馬鹿馬とまで呼んでしまうのだった。

ある日、早苗はコスモの様子から左目の症状が一段と悪化したことを知る。自分の意思ばかりを通そうとして、病気と闘っているコスモの気持ちを慮ってやれなかった自分の浅はかさを悟った早苗は、「私がコスモの目になる」と、その日を境に献身的にコスモの世話をするようになる。そんな彼女の気持ちに応えるようにコスモも早苗に対して心を徐々に開いていく…。

実話を基にした本作品のメガホンを取るのは「半落ち(2005年 第28回日本アカデミー賞最優秀作品賞)」、「出口のない海」、「夕凪の街 桜の国」、「チルソクの夏」などの代表作がある佐々部清。主人公・香苗役は、本作品が映画初出演となる長渕文音(長渕剛の実娘)。コスモの出産、馬の死、厳しい練習などを通じて成長していく思春期の少女を見事に演じている。

予告編の「馬はペットじゃない!」の台詞が印象的な馬術部の熱血顧問・古賀先生には、舞台と同じ東北出身の柳葉敏郎、校長先生役には松方弘樹、北里大学の獣医師役に黒谷友香、香苗母親役の原日出子らの演技派俳優が脇を固めている。そのほか、西原亜希、森田彩華、奥村知史、小林裕吉などが出演。メインテーマ曲は押尾コータロー、主題歌を歌うのは「STGM(ステゴマ)」。